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【代表ブログ】2021.03.16

染色体異常の一種である13トリソミー(パトウ症候群)とは?症状や治療、ご支援について

児童発達支援センターひびお 代表ブログ

13トリソミー(パトウ症候群)とは

13トリソミー、別名パトウ症候群(パト-症候群とも)とは、細胞の中にある本来2本しかないはずの13番目の染色体が、過剰にある状態の染色体異常症のことをいいます。

先天性な染色体異常である13トリソミーは、約1万人に一人の割合で新生児に発生すると言われています。

染色体異常症である18トリソミー(エドワード症候群)や21トリソミー(ダウン症候群)とは、疾患の原因となる染色体番号が異なります。

ちなみに、別名であるパトウ症候群のパトウとは、この染色体異常を遺伝の病気であると確認したパトウさんの名前から取られています。

 

13トリソミー(パトウ症候群)の症状

13トリソミーの赤ちゃんは、お母さんのお腹の中にいるときから体が小さい傾向にありますが、顔貌や身体的特徴だけでなく、重度の知的発達障害や、その他にも生まれつき様々な病気・疾患、それに伴う合併症を持ちます。

それらの一部をご紹介します。

 

先天性心疾患

トリソミーの新生児の約80%は、心臓や血管が正常な状態とは異なる、重度の先天性心血管異常を持って生まれます。

トリソミーだけでなく、生まれてくる赤ちゃんの100人に1人が先天性心疾患を持っていると言われています。

 

先天性消化管異常

腹壁に欠損が生じることで、臍ヘルニア、回転異常、先天性横隔膜ヘルニアなど、消化器系に異常が見られることがあります。

 

生殖器の異常

双角子宮、停留精巣など、男女問わず生殖器異常が多く見られます。

 

顔面奇形

前脳が正しく分割されないことにより起こる、口唇裂・口蓋裂といった、唇や上顎の部分が裂けている状態などの顔面の奇形が多く見られます。

 

目の異常

目が一つしかない単眼症、眼球が小さい小眼球症、目に入る光の量をコントロールする虹彩が一部欠損している虹彩コロボーマや、瞳孔の欠損、網膜異形成など。

また、両目の間隔が広いという身体的所見もあります。

 

耳の異常

耳の変形や、大きさが小さすぎる・位置が低すぎるといった外見の特徴があります。

その影響で難聴を患うこともあります。

 

手足・指や爪の特徴

手や足の指が5本よりも多い多指症や、発育不良による爪の変形が見られます。

 

13トリソミー(パトウ症候群)の治療

先天性な心臓の疾患などを手術で治療することや、合併症に対する治療を行うことはありますが、13トリソミーを根本的に治療する方法は、残念ながら現在のところはまだ確立されていません。

酸素をうまく取り入れられない場合は人工呼吸器を使用したり、消化器官がうまく機能していない場合は胃ろうや点滴、内服薬での治療を行ったりしますが、これらは症状を和らげるための治療となります。

治療にもリスクが伴う場合があるので、赤ちゃんにもご両親にとってもいい選択ができるよう、しっかりと家族や病院と話し合うことが重要になってきます。

 

13トリソミー(パトウ症候群)の検査

13トリソミーを含み、トリソミー(染色体異常)は、出産後はもちろん、出生前診断で診断することも可能です。

一般的には、非確定検査を経て、異常が合った場合に確定検査を受けられることになるかと思います。

医療機関にもよりますが、検査の中では安価なエコー検査(超音波による検査)や、羊水検査など、検査の方法は色々ありますが、13トリソミーは新型出生前診断(NIPT)による診断が可能です。

新型出生前診断(NIPT)は、お母さんから採血し、血液中の遺伝子を検査する方法です。

羊水検査のように母体に負担がかからない検査方法ですが、新型出生前診断(NIPT)で診断結果が不確定だった場合は、羊水検査も行うというケースもあるようです。

13トリソミーの赤ちゃんは生まれた直後から大きな手術などの決断を迫られることになる可能性がとても高いので、出生前診断で診断を受けた際は、医療知識などの情報の収集をおすすめします。

適正な医療を受けられる病院や、サポートしてくれる福祉、機関を調べておくというのも大切です。

 

最後に

前述した症状や治療方法は、ほんの一部に過ぎません。

特に重度の知的発達障害、無呼吸発作やけいれん発作は高確率で起こると言われています。

しかし、それぞれの症状の現れ方は個人差があり、一人の赤ちゃんにすべての合併症が必ず発症するというわけでもありません。

どのような治療を受けるか、またその治療にはどのようなリスクが伴うのか。

どのような福祉を受け、どのような在宅ケアを行っていくのか。

お子さんが13トリソミーと診断された瞬間から、様々なことを考えなくてはいけません。

信頼できる家族や病院とよく相談し、治療方針を固め、赤ちゃんやご両親にとってより良い選択をしていってほしいと願っています。

現代は医療技術が発達し、出生前診断で染色体異常を見つけやすくなりました。

早期発見することができれば、それだけ様々な難しい決断を迫られていく中で考える時間を得ることができます。設備の充実した病院を探して転院することも、なるべく早いほうがいいでしょう。

自分が13トリソミーという疾患を持って生まれた娘の医療的ケアを体験しているからこそ、周りのサポートの重要性を知り、様々な疾患や特別なニーズを必要とするお子さんを持つ方の力になりたいと思い、医療・福祉・教育の起業に至りました。

専門知識や技術を生かした人材のサポートを受けたいという方のために、私たちは日々尽力しています。いつでもお気軽にご相談ください。

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